インタビュー

鈴木 哲

北海道社会事業協会帯広病院 総合診療科
専攻医1年目

札幌医科大学医学部卒業
勤医協中央病院 初期研修
北海道家庭医療学センター 後期研修
・帯広協会病院 医師

明るく自由な空気がただよう総合診療科の医局

高校3年生の時に「地域医療の崩壊」が社会問題として話題になったことから、地域医療に興味を持ち、医師になることを志しました。後期研修プログラムの1年目で帯広に。外来では初診の患者さんを担当しています。高齢の方、生活習慣病の方、風邪を引いた若い方などいろいろな患者さんが訪れます。総合診療科が他科と違うのは自由度が高いこと。まず内科・小児科の勉強をしてからほかの科の勉強を…といった制約がなく、興味のある分野を自由に学んだり研究したりできます。救急には、脳梗塞や心筋梗塞、めまいなどさまざまな患者さんが訪れ、看護師さんから見て「この臓器の病気だ」とすぐに分からない時には我々が呼ばれます。

病棟では、肺炎や尿路感染症、関節痛など、どこの科にも属さない病気や複数の病気を抱えた方を担当。単一の臓器だけでなく、すべてを総合的にマネジメントできなくてはならないため、その人のそれまでの病歴などを総合的に見ながら、薬の調整を行っていくことになります。看取りも数回体験しその度につらくはありましたが、今後医師として生きていく上で貴重な体験をさせていただきました。

北海道家庭医療学センターの医師は、一言で言って「優しい」です。総合診療医(家庭医)を志す医師には高圧的なところがなく穏やかな人柄の人が多いということなのでしょうか。高齢の患者さんたちからも丁寧に話を聞く習慣がついている、ということも関係しているのかもしれません。医師同士の仲も良いし、医局の雰囲気もとても明るいんですよ。


何にでもなれるよう、どこででも必要とされるよう。

「何にでもなれる」のも幅広い知識を身に付けた家庭医の強み

高校時代に地域医療に興味を持ち、総合診療(家庭医療)に携わりたいと思って医師になりましたが、実は、今ははっきりした将来の希望はありません。研修を通じて救急医療や集中治療にも大きなやりがいを感じ、そういった方面へ進むことも可能性としてはあります。同じように、病院で働くか、診療所で働くかについても今は明確な答えがない状態です。だからこそ何にでもなれるよう、どこででも必要とされるよう幅広い分野の勉強をしています。逆に言えば、家庭医のよさはまさにそこなのかもしれませんよね。全身を診られるさまざまな分野の知識を身に付けていくことで、どこででも働けて活躍の場があり、自由な人生を歩めるというのは生きていくうえで大きな強みなのではないでしょうか。将来はできれば田舎で暮らしたいと考えているのですが、当センターの研修プログラムでは郡部での研修が受けられますので、田舎暮らしのトライアルになると言えるかもしれませんね。以前ならば、田舎に住むと最新の医療から取り残されるのではないかという心配がありましたが、ネットの発展した現代ではそんなことはありません。もちろん自分で意識して情報をつかむ必要はありますが、それは住む場所に関係なくどこにいても同じことですから。

今春からは、私は帯広での研修の2年目に入ります。2年目は選択科をローテーションするのが特徴で、私は眼科、麻酔科、産婦人科、小児科を回る予定です。初期研修以外でいろいろな科を回れるプログラムというのはよそではなかなかないので、貴重な体験ができることが楽しみです。

※ 勤務先・学年は全て取材当時のものです(2017年)

北海道社会事業協会帯広病院
総合診療科

〒080-0805
帯広市東5条南9丁目2番地
TEL.0155-22-6600
FAX.0155-24-7076


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