インタビュー

和田 幹生

医療法人社団淀さんせん会 金井病院
指導医

2004年京都府立医科大学卒業。京都第一赤十字病院で初期研修後、06年より社団法人地域医療振興協会にて後期研修。市立福知山市民病院を経て、現在は金井病院総合診療科部長兼家庭医療センター長。日本プライマリ・ケア連合学会の英文誌にて優秀論文賞受賞(2019年度)。

学術・研究をサポートする連携スタッフ医師として。

金井病院家庭医療センター長の和田です。北海道家庭医療学センター(以下、HCFM)の姉妹プログラムである関西家庭医療学センターの指導医を務めています。

また、HCFMの連携スタッフ医師として主に学術・研究部門に携わっております。HCFMの専攻医の皆さんを直接指導する機会はあまりありませんが、HCFMの学術・研究支援センター(佐藤弘太郎センター長)のミーティングに参加してディスカッションを行ったり、専攻医の皆さんが学術大会で研究発表したりする際に指導面でのお手伝いをさせてもらっています。

実は私は家庭医になる前、京都市内の医療機器メーカーでCTスキャナシステムの開発に携わっていました。研究開発を行う中でもう少し患者さんに近い所で直接お役に立ちたいと考えるようになり、兄弟の仕事の関係で福祉にも興味があったことから、医学部に入り直しました。家庭医になろうと決めたのは医学部時代です。かねがねHCFMも見学したいと考えていましたが、タイミングが合わず結局行けずじまい。おそらくご縁がないんだろうと思っていたところ、こうして20年近く経って声を掛けていただくことになるとは、なんとも不思議なものです。

 

臨床研究を通して、世の中の役に立ちたい。

もともと研究にも関心があったので、後期研修中の2008年に福原俊一先生がプログラムディレクターをされていた京都大学大学院のMCRコースを履修し、臨床研修の基礎的な理論や実践スキルを学びました。

その後、市立福知山市民病院で家庭医として勤務しながら、さまざまな臨床研究に携わりました。たとえば、地域の中で総合診療がどんな効果をもたらすかを調査したり、高齢者の「顎落ち」と嚥下可能な食形態の関連性を調べ、介入の要否を簡単に確認できる方法を探りました。このように家庭医療の研究領域は、幅が広いことも特徴の一つなんですね。

そうした中で私としては、なるべく独りよがりではない、地域や日本の医療に役立つような研究シーズを取り上げたいと常々考えています。

前述の研究では、市立福知山市民病院に総合内科ができる前と後とを比較し、肺炎や脳梗塞の入院日数が短くなったことを具体的なデータで裏付けました。家庭医の存在が、地域で提供される医療の向上や臓器別専門医の働きやすさにもつながることを明らかにして総合診療の価値を示すと同時に、総合診療に対する理解を深めてほしいという臓器別専門医へのメッセージでもあったわけです。

 

家庭医の魅力は、人生のさまざまなフェーズに関われること。

この記事をご覧になっている方は、家庭医に興味のある研修医や大学生が多いでしょう。家庭医の魅力とは、人生のいろいろなところに関われることだと私は考えています。

郡部と都市部、診療所と病院とでは、それぞれ家庭医に求められる医療は異なるかもしれません。ですが、生まれてから亡くなるまで、人のさまざまなフェーズに関わるという点では同じです。人生の節目節目で家庭医がきちんとした介入をすることで、患者さんの健康増進につながり、その方の人生に良い影響を与えられるかもしれない。地域と継続した関わりを持てるのが家庭医なんだと思います。

家庭医を目指して関西家庭医療学センターや北海道家庭医療学センターにアプライする皆さんが、「この道を選んで良かったと思えるような、成長をたくさん感じられるような場を作っていきたいと考えています。まずは、ぜひ、見学にお越しください。

※勤務先・学年は全て取材当時のものです(2022年)

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