地域を守る。
地域を診る。

北海道家庭医療学センターの診療所がある街。
そこには、地域を守ってくれる人たちがいるからこそ、
私たちは診ていくことができています。
「地域を守る。地域を診る。」は、同じ方向を向いて、
同じ気持ちで地域と向き合っている人にお話をお聞きする、連載リレーです。

第6回 帯広市 阿部厚憲 北海道社会事業協会帯広病院 院長

帯広市 阿部厚憲 北海道社会事業協会帯広病院 院長

1956年生まれ。
帯広三条高校から杏林大学医学部を卒業後2004年より帯広協会病院。

横断的診療が可能な医師を確実に育てる北海道家庭医療学センターのカリキュラムに敬服。

北海道家庭医療学センターから当院に研修の拠点を作りたいというお話をいただいた時、正直、驚きました。どこの病院でも医師不足に悩んでいるなか、指導医・専攻医合わせ7人ものチームを派遣していただけるだなんて。こんないい話をいただけることなんてあるのか、と。その後、北海道家庭医療学センターの教育制度を知るにつれ、さらに都市部中核病院である当院を研修拠点に加えることで「外来や救急に加えて、病棟での診療も担えるため、センターにとっては研修内容の幅が広がり、当病院にとっても診療内容の幅が広がる」といったご説明もお聞きしました。

その後、時間をかけて調整を進め、従来の総合内科を拡充する形で2016年4月の総合診療科開設となったわけです。もし今、自分が研修医だったら選択肢の一つとして真剣に検討した可能性は大いにあると思っています。私たちの時代は大学を卒業したら医局に入り、地方で実地を踏むというコースが一般的でした。そこに教え上手な先輩がいれば、勉強も手技の獲得もできてラッキーですが、多くの場合は一人で教科書を片手に実践を学んでいくことになります。それに比べて、体系的なカリキュラムで確実に学びを進めていく家庭医療学センターのプログラムには学ぶべき点が実に多い。科をまたいだ領域や領域外の患者さんを総合的、横断的に診られ、守備範囲の広い医師を育成していく教育体制の素晴らしさには目を見張るものがあります。私自身が若いころに苦労し、改善しなければならないと思っていたことをまさに実現していると感じています。

帯広市 阿部厚憲 北海道社会事業協会帯広病院 院長理想とする医師像、総合診療のあり方に向かって今後も邁進を。

当病院では、北海道家庭医療学センターの先生方には、総合診療科として外来の初期診断、横断的疾患への対応、救急との連携、健診などを主に担当していただいているほか、患者さんへの最終的な説明をお願いすることもあります。堀先生をはじめ皆さん協力的で、スタート時から特に大きなトラブルはなかったと認識しています。堀先生には、総合診療科と各科の間での仕事の割り振りや線引き等にも配慮をいただき、感謝しています。総合的な診療を通じ各科のスタッフにとっても、通常の診療とは別の角度からのよい気づき、学びをいただいていると感じます。

何より素晴らしいと思うのは、北海道家庭医療学センターの先生方は、第一義的な志として地域に根ざす意志を持っていること。皆さんが理想とする医師像、総合診療のあり方に向かってこれからも進んでいってくれればと、エールとともに衷心から思っています。


幅広い知識を深める経験は、すべての医師にとって本来的に不可欠。

ぜひ今後も研鑽を積み、幅広い知識を持った臨床医を目指していただけたらと思います。そしてそれは、すべての医師がすべきことでもあるはずです。幅広い領域での知識をある程度深めたら、何か一つ、興味ある分野や得意分野を深めて、また総合診療に戻るのが理想の姿ではないかと私は考えます。これは専門科に特化しすぎたこれまでの時代への反省でもあり、それぞれのメリット、デメリットを融合させながら、これからの医療を考えていく必要があるのではないでしょうか。

そういう意味でも、北海道家庭医療学センターの先生方には今後も大変期待をしています。あえて欲を言うなら、医師の皆さんは、診療態度や患者さんへの言葉遣いなどにもしっかりと教育が行き届き、いわば「大人の対応」を身につけられています。かと言って決して堅苦しいわけでなく自由にノビノビとされていて、患者の皆さんや病院職員たちからの評判も非常に高いものです。それはとても素晴らしいことではあるけれども、時にはもっとざっくばらんに、型破りで思い切った挑戦をされてもよいのではないのでしょうか。また、地域が医師や家族にとってより「住みたい」と思うものとなるような町づくり、コミュニティ作りの工夫についてもともに知恵を出し合い、行政の力も借りながら進めていきたいと思っています。これからもお互いに切磋琢磨、協力し合い、帯広の医療に貢献していきましょう。

帯広市 阿部厚憲 北海道社会事業協会帯広病院 院長


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